ひがしメシ
モノづくりのまち 東大阪【こーば飯】
株式会社松よし人形

日本人形の伝統に現代の風を。人形工芸士が通う路地裏ご飯。

株式会社松よし人形

伝統技術と現代的デザインの融合でバイヤーの心をつかむ人形工房。

1960年創業の松よし人形は、北は北海道、南は九州まで、日本全国に顧客を持つ人形工房。新作雛人形が並ぶ3月〜6月には、全国の小売店はもちろん百貨店のバイヤーまでが日替わりでショールームを訪れます。目当ては、伝統技術と現代的デザインが優美に合わさった同社ならではの雛人形です。

  • ▲松よし人形は、雛人形に衣裳を着せる「人形着付師」の工房。小出社長は衣裳の素材選びから、重ねる袖や衿の色などを決定するデザイナーの役割を担っています。

3代目社長であり節句人形工芸士の小出道子さんは企画・プロデュースを手掛けます。
「お雛さんの伝統を守っていくのも大事なんですが、実際に雛人形を飾る方の感性や住まいの環境にかなうことも大事。そのため当社では先代の頃から、お人形さんのお衣裳に現代的なデザインを取り入れています。
そう語る小出社長に案内された工房には、西陣織や京友禅に混じって、イタリアのオーガンジーレースやブラジルの刺繍布など世界の織物が。スワロフスキーがあしらわれた人形まであります。
「雛人形は作り方が厳密に守られている伝統工芸なので、お人形のお顔やお衣裳の型も決まっています。その決まりの中で、どう遊びを加えていくかを考えるのが面白いですね」

  • ▲衣裳にモダンな要素を加えることで、雅な雛人形のお顔も不思議と現代的に見えてきます。

続いて縫製工房を訪ねると、ベテランの内職スタッフさんが、雛人形の衣裳をミシンでカタカタ縫い付け中。年間約3,000組もの雛人形を生産している同社ですが、オートメーション機械などは一切なしの手作業のみだということに驚かされます。

「縫製が美しいことは当然ですが、その前段階としてお衣裳の柄模様が美しく揃うことが非常に重要。

当社では、裁断の段階から縫い合わせを想定して布を切り出し、縫製でも1ミリ以下の模様のズレも許しません」と語る小出社長。そこを徹底するからこそ、一般のお客さまが見ても凛と美しく感じる全体美があり、バイヤーも納得する安心の品質に仕上がるのです。

  • ▲裁断・縫製・着付けまで作業はおよそ80段階。分業制を取り入れることで、全て手作業でありながら同じ型の人形を何十体と揃えることができます。

小出社長をはじめ、工房に「節句人形工芸士」が6名存在することも松よし人形の強みです。この認定資格は、10年以上のキャリアを持つ優秀な職人にしか与えられないもの。毎年300組ほどの新作人形を作るだけでなく、バイヤーの要望に応じたオリジナルの商品制作に対応できるのも、実力ある職人や内職スタッフたちに支えられてのことなのです。

「彼らと一緒なら、産みの苦しみもより良いものを作る楽しみに変わります。これからもスタッフたちとともに、日本人形の魅力を多くの人に発信していきたいです」

  • ▲ショールーム店舗にて、数多くの人形に囲まれた小出社長。無事に買い手が見つかると、「大切な娘をお嫁に出すような気持ちになります」と感慨深く話されました。

株式会社松よし人形

代表取締役 小出道子

住所
東大阪市荒川1-10-4
電話番号
06-6722-0161
WEBサイト
https://matsuyoshi-doll.co.jp

展示会でお疲れのバイヤーさんのために。布施の路地裏にある隠れ家店でおもてなし。

近鉄布施駅北口から路地裏に入って徒歩約2分。下町の住宅街に突然現れる『和創楽家 神楽』は、まさに「隠れ家」と呼ぶのがぴったりのお店。扉を開けると、小さな間口からは想像できない奥行きある店内が広がります。「この意外性が素敵でしょう?」と小出社長はニッコリ。「買い付けに訪れるバイヤーさんたちをお連れすることが多いのですが、男性はもちろん女性にも非常に喜ばれるお店です」。

お店との関わりは、小出社長の父でもある2代社長が、オープンから贔屓にしていたのが始まり。和食店と人形工房、15年にも渡る長いお付き合いは、和の伝統だけに満足しない創意工夫の心で結ばれているのかもしれません。

社長がバイヤーに必ずお勧めするのが、お造りと天ぷらがセットになったランチの神楽定食。細かい仕事が効いた旬のお造りはもちろん、3種の八寸や汁物が日替わりで供されるのが魅力。「展示会の時期は毎日のように訪れますが、同じメニューのようで毎回工夫が凝らされていて飽きないんですよね」。

  • ▲和創楽家 神楽の店長(写真左)と小出社長。
  • ▲「味良し、盛り付けよし!」と小出社長が太鼓判を押す神楽定食。メインメニューは、お造りと天ぷら以外に、焼き魚やハンバーグなど、お好みで2種類選ぶことができます。

和創楽家 神楽は、古民家をリノベーションした上質な空間で創作和食を楽しめる店。店内には広めのカウンター席のほか、掘りごたつやテーブル&ソファの個室が。ランチタイムには2,200円の神楽定食のほか、ロールキャベツとエビマヨ定食1,500円など10種類の定食が楽しめ、女性客を中心に行列が絶えない。夜は3,000円からのコースに加え日替わりで旬の料理を提供。カップルから中高年まで幅広い層に利用されています。

和創楽家 神楽

住所
大阪府東大阪市長堂2-2-4
電話番号
06-6784-2310
営業時間
11:30〜14:00、17:00〜24:00(L.O.23:30)
定休日
月曜(祝日・祝日前日の場合は営業)
駐車場
なし